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2011年 第1回札幌ジャズオーディオ鑑賞会報告

日時:2011年9月24日 場所:MITUYA' CAFE

今回は,東日本大震災があり、夏まで休会とし、9月からスタートしました。
内容は以下のとおり。
前半がMoonColdStudioの代表関井氏の最新録音の紹介がありました。
それは、今年の6月に円山公園のジャズバーB-flatで録音されたテナーサックス松本健司氏とピアノ林加奈子氏によるデュオ・アルバムが2枚。ジャズ・スタンダードとポピュラーを演奏したものです。
その音の柔らかさと響きはたいへん心地よく。特にポピュラーのアルバムは、人気が出てよく売れているとのことです。(MITYUYAさんのオーディオで再生しました。)

セットアップをしている関井氏とサポートする塩崎氏

このセッティングで音質が左右されるとのこと。

毎回オーディオに合わせて繊細な音から力強い音まで幅広く調整されます。(これが関井マジックかもしれません。)

そして後半は2トラ38のTBM(サブ)マスターテープによる鑑賞となりました。
音源は高橋達也と東京ユニオンの「北欧組曲」

この作品は、ジャズ専門レコードレーベルのスリー・ブラインド・マイス(TBM)7周年を記念し企画されたものです。

1976年、帰国間もない三木敏悟が、テナーサックスで参加していた東京ユニオンのコンサートで演奏された彼のオリジナル”白夜の哀しみ”を聞いた藤井武が彼の才能に着眼、TBM7周年記念アルバムの作曲を依頼したものです。


1曲目の冒頭で、北欧をイメージした風の音が流れると、TBMの音の世界に引き込まれていくような錯覚に落ちました。北欧組曲は、日本のビッグバンドのアルバムとしても最高峰に位置づけられる作品で、70年代〜80年代にかけてのビッグバンド・ブームの中でも独特な作品だと言われています。
曲はたいへんユニークですが、音は見事に録られていると感じます。

北欧組曲のジャケット

曲目

Part 1  白夜の哀しみ

Part 2  エドワード・ムンクの肖像

Part 3  グレダ・ガルボの伝説

Part 4  アンデルセンの幻想

Part 5  シベリウスの遺言

Part 6  遊ぶ子供たち

*マスター・テープでは、1〜4曲までが収録されています。

システムの説明をする関井氏

今回使用するウエスタンKS19602(マッキン製造納品)のアンプとスピーカーケーブルの違いについての説明をされました。
鑑賞会ではテレホンケンのSPケーブルやノイマン社のモニターSPケーブルなどを切り換えて音の違いについて説明されました。


■古いケーブルは周波数帯域が狭いが、そのぶん全体がまろやかに聞こえ、新しいケーブルは周波数帯域が広く、全体にシャープにメリハリのある音に聞こえる。
*これは音の善し悪しではなく、リスナーの好みの問題となります。


また最近のケーブルは材質も、古いものに比べて数値的な特性は優れているものが多い。しかし数値データと聴く音は別。またケーブルは太く短い方が良いというのは電気的な特性から言われることで、音を作る点ではあてはまらない。自分で何度も試して音を作ることが大切。

今回の鑑賞会では、「自分の好みの音をどう作るか」を関井さんから良いヒントを頂いたと思います。


新情報

MITUYA' Cafeさんのオーディオシステムでは、アンプが保守されて、一層柔らかく膨らみのある音になっていました。

これでまたボーカルがじっくり聞けそうです。

関井さん、お疲れ様でした。今回もたいへん良い勉強になりました。
またよろしくお願い致します。


2011年 第2回札幌ジャズオーディオ鑑賞会報告

日時 2011年10月22日(土)〜23日(日)  
場所:長万部温泉大成館及びジャズバー・ミモザ(10月22日)
場所:今金町 ジャズ喫茶「どんぐりの木」(10月23日)

今回は札幌を離れ、長万部温泉にて、鑑賞会を開催しました。生憎の天候でしたが屋内のイベントなので、それなりに楽しめました。

10月22日(土)
第1部 18:00〜  旅館大成館の座敷にて自作スピーカーの鑑賞
座敷で、自作スピーカー類の鑑賞会を行いました。持参したCDなどを3種類のスピーカーで聞き比べました。YAMAHA-1000Mはなんとウーファ部を改造してあり、音も深みを増していました。このスピーカーは行き先があるとのことでした。(笑)
下段左のスピーカーはソバ打ちの板を使用しており、音は少々固めでした。また下段右はPA用スピーカーですが、鳴りはとてもやわらかく感じました。


第2部 20:00〜 オーディオ&ジャズバーミモザで鑑賞会
旅館から徒歩1分のところにあるジャズバーミモザへ移動しました。
ミモザはこだわりのオーディオ&ジャズバーで、自作派のオーナー高井氏の技術がいたるところに見られる本格的なリスニング・スポットです。適音量と中域ののびのある音はさすがです。
スピーカーの裏には吸音のための布が天井から吊られており、室内の反響を調整していました。
福澤氏設計のDAコンバーターによる試聴も行われ、その繊細な音の違いに感動しました。

また参加者が持参したアルバム(アナログやCD)をいろいと鑑賞し、特に持参したTBMの北欧組曲のLPとミモザにあったプレミアム盤との聞き比べ、明確な音の違いにも驚きました。
オーディオシステムが優れていると、音源の違いが明確になることがよく分かりました。

「どんぐりの木」のマスターも参加され、0時ころまでいろいろな音源を聴きました。
また来年が楽しみです。


10月23日(日)
11:00から  今金町ジャズ喫茶「どんぐりの木」
どんぐりの木は瀬棚町へ向かう旧国道にあり、元営林管理事務所を利用しています。
店内にはアルテックA7が鎮座しており、弾力のある音を響かせていました。
JBLとは違い深みのある音でジャズを鳴らしていました。
ちなみにアンプは福澤氏設計の石のアンプで、高井氏が調整を担当しています。

また店で出されるコーピーは、ポットで提供しており、ちょっと感動でした。
途中、函館からのオーディオファンとご一緒させていただきました。
来年の再会が楽しみです。

<どんぐりの木>
住所:瀬棚郡今金町字花石  TEL:080-6536-0998
営業日:土日祝 営業時間:11:00〜18:00

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